リスティング広告は、GoogleやYahooといった検索エンジンの検索結果に連動して表示される検索連動型の広告です。
今まさに商品やサービスを探している(検索している)ユーザーに広告を表示できるため、リスティング広告はWEB広告の中でも購買や申し込みなどの成果につながりやすい傾向があります。
本記事では、リスティング広告の基本的な仕組みと、SEOとの違い、メリット・デメリットについて解説いたします。
リスティング広告とは、GoogleやYahooで検索したキーワードに応じて表示されるテキスト形式の広告のことを指します。
検索結果に連動していることから、検索連動型広告や検索広告とも呼ばれています。
掲載枠は媒体によって若干異なりますが、検索結果の上部と下部の1~4枠目がリスティング広告の掲載枠です。
リスティング広告以外の検索結果の枠を、自然検索(オーガニック検索)枠と呼び、検索エンジンが自動的に検索キーワードに関連する有益な情報が載っていると判断したサイトを表示しています。
リスティング広告にはタイトルの左上部分に「スポンサー」「広告」「PR」と言ったテキストが表示されるため、自然検索と見分けることができます。
【リスティング広告】
【自然検索】
リスティング広告を出稿できる媒体としては、国内で利用率が高い「Google広告」と「Yahoo広告」が代表的です。
それぞれ、別の広告媒体になっており、Googleに掲載したいならGoogle広告を、Yahooに掲載したいならYahoo広告を利用します。
Google広告とYahoo広告の他に、2022年5月31日にローンチされた検索エンジンの「Bing」に出稿できるMicrosoft広告というものもあります。
検索エンジンごとに利用ユーザーの傾向が異なるため、自社の商品/サービスにあった検索エンジンで出稿できるリスティング広告から始めるのがおすすめです。
リスティング広告は3つの要素から構成されています。
広告見出しと説明文のほかに、広告表示オプションというものもあり、設定することで広告に電話番号や住所、キャンペーン価格、画像などを追加表示させることが可能です。
広告表示オプションは必ず表示されるわけではありませんが、設定しておくことでより商品やサービスを効果的にみせることができます。
広告見出しと説明文、広告表示オプションは、文字数や一部記号の制限があるものの、自由に設定することができます。
ただし、商品やサービスを実際のものよりも著しく良く見せるようないわゆる誇大広告に関しては注意が必要です。
媒体ごとに禁止事項も決められているため、配信前に確認しておきましょう。
Microsoft広告:Microsoft広告ネットワークポリシー
リスティング広告では、検索キーワードだけでなく、年齢・性別・興味関心・配信時間・配信地域などをターゲティングとして利用することができます。
ターゲットを限定するだけでなく、「男性の場合は入札単価を50%に、女性の場合は150%に」といったように特定の属性に配信を寄せるような調整も可能です。
利用できるターゲティングは媒体によって異なります。大まかな各媒体のターゲティングの可否は下図の通りです。
リスティング広告はオークション形式になっており、広告主側で表示したいキーワードと入札単価を設定してオークションに参加し、競り勝った順に上位の広告枠に広告が表示されるような仕組みになっています。
『広告主』
『広告媒体』
オークションは検索が発生するたびに行われており、検索したキーワードが同じだったとしても表示される広告や順位は毎回変わります。
リスティング広告は上位に表示されるほどクリックされやすいため、基本的には上位に掲載されている状況が望ましいです。
ただし、上位に表示しようとすると、必要な入札単価も高くなる傾向にあるため、費用対効果を見ながら配信するキーワードと入札単価を調整していく必要があります。
入札に参加する企業が多ければ多いほど、最低限広告を表示するのに必要な入札単価が高くなることにも注意が必要です。
広告を表示するために必要な入札単価の目安はGoogle広告のアカウントを作成すれば無料で利用できるキーワード検索ツール「Googleキーワードプランナー」を使用すれば確認することができます。
Googleキーワードプランナーでは、入札単価のほかにキーワードごとの月間検索ボリュームも確認できるため、リスティング広告を運用するのに欠かせないツールです。
リスティング広告のオークションでは、単純な入札単価だけではなく、広告の品質(ユーザーにとって有益であるかどうか)が加味されています。
掲載順位は、この「広告の品質」と「入札単価」のかけ合わせた「広告ランク」というもので決まります。
「広告の品質」を上げることができれば、入札単価が低くても上位に掲載されやすくなるため、結果的に1クリックあたりにかかる費用が削減され、費用対効果の改善につながります。
広告の品質を始めとした、入札単価以外の広告ランクに関わる要素の算出方法はブラックボックスになっており、「これをすれば上がる」という明確な答えはありません。
ただ、広告の品質を表す「品質スコア」というものは、「広告の推定クリック率」と「広告の関連性」と「ランディングページの利便性」の3つの軸で評価されています。
クリック率を上げるために、広告文を見直したり、配信したいキーワードと広告文、サイトの情報に一貫性を持たせたりすることで改善される可能性があります。
リスティング広告と同じく、検索エンジンの検索結果に表示させる施策としてSEO(検索エンジン最適化)があります。
SEOとは、自然検索でより上位に表示されるための取り組みを指す言葉です。
SEOはSearch Engine Optimization(サーチエンジンオプティマイゼーション)の頭文字をとったもので、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。
検索結果の上部と下部の1~4枠がリスティング広告枠で、その間の部分が自然検索の枠になっています。
自然検索よりも上位に表示されるリスティング広告のほうが集客力は高いですが、自然検索はクリックされても費用が発生しないため、上位に表示することができれば安定した集客が可能です。
自然検索で表示されるには大きく分けて2つの条件があります。
自然検索に表示されるかどうかは、検索エンジンの評価次第で、リスティング広告のように広告主側でコントロールすることはできません。
上位に表示させるためには、質の良い記事を大量に作成したり、被リンクを獲得してドメインパワーを高めたりする必要があるため、リスティング広告のように直接的な集客コストはかからないものの、ユーザーの目に留まる順位に表示されるまでにまとまったコストと時間がかかります。
また、自然検索の検索順位を決定するアルゴリズムは定期的に更新されており、この更新のことをコアアップデートと呼びます。
コアアップデートの内容次第では、今まで1位に表示されていたサイトが急に1ページ目にも載らなくなるということもありえます。
リスティング広告とSEOは同じ検索結果に表示される施策ですが、仕組みやメリット・デメリットが全く異なります。
「リスティング広告かSEOかどちらの施策を実施すべきか」という質問は良くありますが、両者は似てはいるものの、仕組みも役割も異なるため、可能であればどちらも実施すべきです。
リスティング広告では、SEOの評価を無視して、自由に遷移先ページを検索結果の上位に表示することができるので、仮にすでにSEOで1位を取れているキーワードだったとしても、SEOとは別のサイトをリスティング広告で表示して2枠で刈り取るといったような手法も可能です。
リスティング広告もSEOも実施していない場合は、目的や状況によりますが、即効性が高く、小回りも効きやすいリスティング広告でテストマーケティングを行い、SEOで取り組むべきキーワードを決めるような進め方が効果的です。
さらに詳しく:リスティング広告とSEOの違いって?目的に合わせた使い分け方を解説
リスティング広告の最大のメリットは、検索キーワードでターゲティングできることです。
WEB広告の中でも、『今まさに検索して商品/サービスを検索している』ユーザーに広告を配信できるのはリスティング広告にしかない特徴なので、他のWEB広告よりも成果につながりやすい傾向があります。
リスティング広告は検索キーワードでターゲティングを行うため、検索キーワードがない場合は、広告を表示することができません。
自社の商品やサービスに関連するキーワードの検索数が極端に少ない場合、リスティング広告ではなく、WEBサイト上に表示するディスプレイ広告、SNS上に表示するSNS広告を検討する必要があります。
また、リスティング広告は調整できる内容が非常に多く、自由度が高い分、知識と経験がなければ最適な運用が難しいです。
昨今では、AI技術を用いて自動で運用調整を行うようなメニューもありますが、完全にAI任せで成果が出るケースは稀で、AIを使いこなすのにも媒体の裏側の仕組みの理解が必要です。
自社で運用が難しい場合、リスティング広告運用に強いWEB広告代理店を利用したり、インハウス支援サービスを活用するのも有効です。
本記事では、リスティング広告の基本的な仕組みをもとに、SEOとの違いやメリット・デメリットについて解説しました。
リスティング広告は検索キーワードを指定して、『今まさに検索して商品/サービスを検索している』ユーザーに広告を配信できるWEB広告の中でも比較的成果につながりやすい広告施策です。
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