検索エンジンを用いた代表的な集客施策として、リスティング広告とSEOが挙げられます。
検索結果に自社のサイトを表示するという意味では、どちらも同じですが、仕組みやメリットが大きく異なります。
本記事では、リスティング広告とSEOのそれぞれの仕組みと違いについて解説いたします。
リスティング広告は、GoogleやYahooといった検索エンジンの検索結果に連動して表示される検索連動型のテキスト広告です。
検索結果に連動していることから、検索連動型広告や検索広告とも呼ばれています。
リスティング広告はオークション形式になっており、広告主側で表示したいキーワードと入札単価を設定してオークションに参加し、競り勝った順に上位の広告枠に広告が表示されるような仕組みになっています。
オークションは検索が発生するたびに行われており、検索したキーワードが同じだったとしても表示される広告や順位は毎回変わります。
リスティング広告は上位に表示されるほどクリックされやすいため、基本的には上位に掲載されている状況が望ましいです。
ただし、上位に表示しようとすると、必要な入札単価も高くなる傾向にあるため、費用対効果を見ながら配信するキーワードと入札単価を調整していく必要があります。
また、オークション方式で入札単価が決まるので、入札に参加する企業が多ければ多いほど、最低限広告を表示するのに必要な入札単価が高くなることにも注意が必要です。
SEOとは、自然検索でより上位に表示されるために実施する施策のことを指す言葉です。
SEOはSearch Engine Optimization(サーチエンジンオプティマイゼーション)の頭文字をとったもので、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。
自然検索で表示されるには大きく分けて2つの条件があります。
掲載順位については、検索エンジン独自のアルゴリズムで検索キーワードに対して、有益なサイトであると判断された順に決まります。
検索エンジンには、クローラー(Webサイトを回遊して情報を集めるロボット)が存在しており、クローラーがインデックスされたサイトから情報を集めて、そのサイトが有益かどうかを判断しています。
SEOの施策は大きく3つに分けられます。
それぞれの主な最適化方法は下記です。
クローラーにサイトの情報を理解しやすいようにする
※1ファイルの要素の1つ。そのページのタイトルを意味する。
※2ファイルの要素の1つ。ページの内容を要約して検索エンジンに伝えるためのタグ。
前述の通り、サイトの評価はクローラーというロボットがサイトの情報を読み取ることで行われます。
そのため、いかに有益な情報が書かれていても、クローラーが認識できない形になっていては意味がありません。
クローラーにサイトの情報を理解しやすいようにすることは、SEOの最も基本的な施策で、上位表示を狙っていくには漏れがないようにしておく必要があります。
コンテンツを最適化する
※スマートフォンなどのモバイル端末での表示に適した状態にすること
過去には、ページ全体の文字数やキーワードの数で評価が決められるような時代もありましたが、近年では内容が重視されるようになっています。
読み手にとって価値の低いページは上位に上がりにくいため、質の良い有益な情報を提供できるようなコンテンツの作成を目指しましょう。
読み込み速度の早さや、読みやすさなども考慮されるため、それぞれ最適な設定が必要です。
サイトの評価を高める
※外部の記事からリンクされること
ページ単体の評価だけでなく、サイト(ドメイン)自体の評価も重要です。
有益な記事が多く掲載されているサイトや、被リンクが多いサイトは有益なサイトであると判断されるため、上位に表示されやすくなります。
アルゴリズムの更新について
自然検索の検索順位を決定するアルゴリズムは定期的に更新されており、この更新のことをコアアップデートと呼びます。
コアアップデートの内容次第では、今まで1位に表示されていたサイトが急に1ページ目にも載らなくなるということもあり得るため、注意が必要です。
自然検索においてどのようなサイトが有益なのかについては、Googleが提供するスターターガイドにまとめられているため、確認しておきましょう。
検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド(2024年2月時点)
リスティング広告とSEOでは、特性がそれぞれ異なります。
以下、表にそれぞれの特性をまとめております。
検索結果の上部と下部の1~4枠がリスティング広告枠で、その間の部分が自然検索の枠になっています。
自然検索よりも上位に掲載枠を持つリスティング広告のほうが、上位に掲載できた場合の集客力は高いです。
リスティング広告はクリック課金制の広告で、1クリックごとに費用が発生します。
クリックにかかる費用は、オークションで決められており、上位の広告枠に表示させようとするほど、必要な入札単価も高くなる傾向があります。
一方で、自然検索はクリックには費用が発生しないため、上位に表示することができれば安定した集客が可能です。
ただ、SEOの場合、上位に表示させるまでに費用と時間がかかるため、一概にSEOの方が費用対効果に優れるとは言えません。
即効性と集客力で選ぶならリスティング広告、広告に依存しない形で中長期的に集客をしていきたいならSEOという形で使い分けるのがおすすめです。
検索広告は出稿したいキーワードや掲載順位のコントロールが可能です。
予算に比例して出稿量を増やせるため、目標が立てやすく、使い勝手が良いです。
SEOに関しては、表示されるキーワードや掲載順位は検索エンジンの評価次第で、狙うことは可能ですが、直接コントロールすることはできません。
また、取り組んでから成果が出るまで短くても半年から1年くらいの期間がかかるため、中長期的な目線が必要です。
できれば両方で集客できる体制を作るのがベストですが、並走させるにはそれなりの予算とリソースが必要です。
まずは、目的や状況にあった施策から進めていくのがおすすめです。
リスティング広告から始める最大のメリットは即効性です。
成果次第ではありますが、配信を開始したその日から売上が見込めます。
SEOでは上位に掲載するまでにまとまったコストがかかりますが、リスティング広告ではクリックごとに費用はかかってしまうものの、少額からでも上位に掲載することができます。
狙ったキーワードですぐに広告を配信することができるため、SEOで狙うべきキーワードの事前調査としても使うことができます。
リスティング広告で短期的な売上・利益を獲得しつつ、リスティング広告で費用対効果を合わせることが難しいものについては、SEOで狙っていくなどの戦略を取ることも可能です。
事前にテスト予算を決めておき、そこで成果が得られなければすぐに撤退することもできるため、比較的リスクも低いです。
上位に掲載することができれば、費用をかけずに集客できるのがSEOの最大のメリットです。
広告に依存せず、自然検索経由で集客できる状況を作りたい場合には、SEOがおすすめです。
また、顧客単価や粗利率が低い商品/サービスの場合、リスティング広告では費用対効果が合わない可能性があるため、広告費の捻出が難しそうな場合は、SEOのほうが有効です。
リスティング広告とSEOの違いについて解説しました。
どちらも「今まさに商品やサービスを探しているモチベーションの高いユーザー」を集客できる効果的なWEBマーケティング施策ですので、積極的に活用して売上・利益を上げていきましょう。
検索結果に表示されるという面は同じですが、それぞれ仕組みや特性が大きく異なるため、目的や状況に応じて使い分けていくのが良いでしょう。
本記事でリスティング広告とSEOの理解を深めていただければ幸いです。
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