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リスティング広告で注意すべき法令や規制について

リスティング広告に限りませんが、WEBで広告を出稿する場合、様々な法律や規制に注意を払う必要があります。

リスティング広告は、テレビCMや新聞広告と比較して、気軽に簡単に広告を配信することができてしまうため、出稿したい広告が法律に違反していないかをしっかりと自社内でチェックしておく必要があります。

本記事では、リスティング広告で注意すべき代表的な法律と規制についてご紹介いたします。

リスティング広告で注意すべき主な法律や規制として下記の4つをご紹介します。

不動産業界の宅建業法など、業種によってはこの他にも注意すべき法律がありますので、自社に関連する法律や規制がないかはチェックしておきましょう。

景品表示法(景表法)は、簡単に言うと消費者をだますような嘘や大げさな表現を禁止する法律です。

広告代理店やアフィリエイターが景表法に違反する広告を出稿している場合でも責任を問われるのは広告主なので、代理店やアフィリエイターを利用している場合は特に注意が必要です。

リスティング広告で注意すべき主な内容は下記の2つです。

優良誤認

優良誤認とは、商品やサービスの品質や規格について、実際のものよりも著しく優良であると誤認される表現を禁止する内容です。

「著しく優良であると誤認される」という部分が非常に難しいのですが、消費者庁が公開している資料では、社会一般に許容されている程度を超えていることを指すと説明されています。

明確にここまでがOK、これを超えるとNGと示されている訳ではないので、悪意がなくても抵触してしまう可能性があります。

優良誤認に当たるかどうかは、合理的な根拠があるかどうかが論点になるので、根拠がない表現は控えるようにしましょう。

根拠に合理性があるかどうかの判断は難しいため、不安な表現がある場合は、広告を配信する前に専門家のチェックを受けることをおすすめします。

参考:消費者庁 優良誤認とは

有利誤認

優良誤認と似ていますが、こちらは価格や取引条件に関して、実際のものよりも著しく有利であると誤認される表現を規制する内容です。

簡単にいうと、一般的な価格よりもお買い得に見せかけておいて、実際はそうでもないような場合が有利誤認にあたります。

具体的なケースだと下記のような内容が有利誤認に当たります。

参考:消費者庁 有利誤認とは

令和5年10月1日からステルスマーケティングも景品表示法の規制対象になりました。

いわゆるステマ規制と呼ばれているものです。

ステルスマーケティングとは、広告なのにも関わらず、広告でないように見せかけるようなマーケティング手法を指します。

具体的に規制の対象になっているのは下記のような内容です。

広告であると分かりにくいものについては、アフィリエイターが作成した記事などが上げられます。

ステルスマーケティングに該当する可能性のあるものについては、分かりやすい場所に「PR」と表記をして広告であることを伝えるような工夫が必要です。

参考:消費者庁 令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。

薬機法(旧薬事法)は医薬品や医療機器、医薬部外品、化粧品、健康食品などに関わってくる法律で、これらの品質や、有効性、安全性を確保するための法律です。

それぞれ商品のカテゴリごとに細かなルールが定められており、使える表現と使えない表現の判断が非常に難しいです。

薬機法は景品表示法と違って、エビデンスがあったとしても、定められた効果効能を超えたような表現は認められません。

例えば、ダイエットサプリメントの広告を出す際に、ダイエット効果に関する十分なエビデンスがあったとしても、「痩せられる」と書くと薬機法違反になってしまいます。

参考:厚生労働省 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

医薬品、医薬部外品、化粧品には明確な線引きがあるのですが、用途が同じものがあるので注意が必要です。

例えば、育毛剤には医薬品に属するものもあれば、医薬部外品、化粧品に属するものもあります。

それぞれどれに当たるかによって広告で言える訴求が変わってきます。

医薬品、医薬部外品、化粧品の定義

医薬品 病気の治療を目的にした薬のこと。
医薬部外品 医薬品ほどではないが、主に予防を目的として、厚生労働省が認可した特定の効果のみを謳うことができるもの。
化粧品 医薬部外品よりもさらに効果が緩和で、清潔にする、美化する、魅力を増す、健やかに保つなどを目的としたもの。

医薬品 > 医薬部外品 > 化粧品の順番に効果が強いものになっています。

訴求できる内容は配合している成分や、商品のジャンルによって異なりますが、医薬品では、病気の改善効果を、医薬部外品では予防効果を謳うことができます。

化粧品については、56個の効能効果が定められており、この範囲内で広告表現を考える必要があります。

(1)頭皮、毛髪を清浄にする。 (13)毛髪の水分、油分を補い保つ。 (25)皮膚の水分、油分を補い保つ。 (37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。 (49)ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。 (14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。 (26)皮膚の柔軟性を保つ。 (38)芳香を与える。 (50)歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。 (15)髪型を整え、保持する。 (27)皮膚を保護する。 (39)爪を保護する。 (51)歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(4)毛髪にはり、こしを与える。 (16)毛髪の帯電を防止する。 (28)皮膚の乾燥を防ぐ。 (40)爪をすこやかに保つ。 (52)口中を浄化する(歯みがき類)。
(5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。 (17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。 (29)肌を柔らげる。 (41)爪にうるおいを与える。 (53)口臭を防ぐ(歯みがき類)。
(6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。 (18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。 (30)肌にはりを与える。 (42)口唇の荒れを防ぐ。 (54)歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(7)毛髪をしなやかにする。 (19)肌を整える。 (31)肌にツヤを与える。 (43)口唇のキメを整える。 (55)歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(8)クシどおりをよくする。 (20)肌のキメを整える。 (32)肌を滑らかにする。 (44)口唇にうるおいを与える。 (56)乾燥による小ジワを目立たなくする。
(9)毛髪のつやを保つ。 (21)皮膚をすこやかに保つ。 (33)ひげを剃りやすくする。 (45)口唇をすこやかにする。
(10)毛髪につやを与える。 (22)肌荒れを防ぐ。 (34)ひがそり後の肌を整える。 (46)口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(11)フケ、カユミがとれる。 (23)肌をひきしめる。 (35)あせもを防ぐ(打粉)。 (47)口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
(12)フケ、カユミを抑える。 (24)皮膚にうるおいを与える。 (36)日やけを防ぐ。 (48)口唇を滑らかにする。

引用:厚生労働省 化粧品の効能の範囲の改正について

化粧品なのに、医薬品や医薬部外品でしか言えないような効能効果を訴求してしまうと薬機法違反になります。

医薬品や化粧品のように健康食品にもいくつか分類があります。

こちらも化粧品のように分類ごとに訴求できる表現が異なるため注意が必要です。

特定保健用食品(トクホ) 効果や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可したもの。健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められている。
栄養機能食品 科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量含む食品。
届け出は不要で、国が定めた表現によって機能性を表示することが可能なもの。
機能性表示食品 事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品。
安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたもの。
いわゆる健康食品 上記のどれにも該当しないサプリメントや栄養ドリンクのようなもの。

いわゆる健康食品は、栄養補給を目的としたものなので、栄養を補給する以外に身体に変化を及ぼすような表現や、「1日3回食後にお飲みください」といったようなまるで薬と間違えるような表現が禁止されています。

特定商取引法(特商法)とは、違法・悪質な勧誘行為などを防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。

特商法では、通信販売に関して次のような表示の義務付けと、禁止事項が定められています。

参考:消費者庁 特定商取引法ガイド

通信販売では、下記のような表示が義務づけられています。

広告の種類によっては記載することが難しく一部免除されるケースもありますが、リスティング広告では、購入の最終画面に表示することが定められています。

禁止事項としては下記のような内容が定められています。

虚偽・誇大広告については、景表法と同じく、事実と異なるような内容を誤認させるようなものが該当します。

特商法は「消費者の利益を守ること」が根幹となっている法律なので、消費者を陥れるような表示になっていないかを注意しましょう。

個人情報保護法は、年齢や性別、生年月日、住所などの個人情報の取り扱いに関する法律です。

広告で得た個人情報の取り扱いについてはもちろん注意が必要ですが、WEB広告には特有の注意事項があります。

参考:総務省 個人情報保護法

Cookieとは、WEBサイトに訪れたユーザーの情報を記録するファイルのことを指します。

過去に訪れたことのあるサイトで入力した住所などの情報が、再度訪れたときに残っていたりするのは、まさにCookieの仕業です。

Cookieそのものは個人情報には該当しないのですが、他の情報と照合させることで個人を識別することができてしまうため、「個人関連情報」として取り扱いに注意する必要があります。

世界では、Cookieは個人情報保護の観点から問題があると脱Cookie化の流れが加速しています。

EU圏では、「GDPR(EU一般データ保護規則)」が2018年5月に施行されました。

GDPRでは、Cookieも個人情報と定められており、Cookieを利用するサイトをEU圏に配信する場合には、サイト訪問時にCookieの利用目的を伝えて同意を得る必要があります。

EUの法律ですが、日本の企業でも下記の条件に当てはまる場合は、対象になるので、該当する場合はGDPRについてしっかりと調べておく必要があります。

ご紹介した以外にもリスティング広告に関する法律や規制は数多く存在します。

リスティング広告では、配信前に媒体の審査が必ず入りますが、媒体の審査に通ったからといって安全とは限りません。

簡単に広告配信ができるリスティング広告だからこそ、事前に自社の業種に関連する法令や規制について調べておきましょう。

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